医学・健康について思うこと

「医学・健康について思うこと」 Vol.12(「マインド食べ」しています)

マインド食べ

「医学・健康について思うこと」 Vol.12(マインド食べしています)

「医学・健康について思うこと」では、「医師として日常の診療で感じること」、「患者として日々の生活で感じること」、「新しく出会った治療法」などについて、私がこれまで感じてきたこと、今感じることを書いていきます。
今感じることなので、これから感じ方、考え方がどんどん変わっていくことが予想されますが、時代とともに考え方が変遷していく様子も、自分自身の備忘録として残していきたいと思っています。よろしくお願いします。

「マインド食べ」とは


今回は、自分の食事について考えてみようと思います。
今回の内容は、いわゆる医学的な食事療法とは違った観点で書きます。

①生命の維持に必要な食事
②脳(心)にとって必要な食事


私たちの行動パターンはこの2つに大きく分けることができると思います。


そして、よく観察していると私は
②脳にとって必要な食事
が90%近くを占めています。


「脳にとって必要な食事」の中でも、食べた後に「食べてしまった」とちょっぴり後悔してしまうような食行動のことを私は「マインド食べ」と呼んでいます。
最近、私自身がこの「マインド食べ」が増えてきているので、何でだろう?、何かしら対処した方が良いものか?と考え中です。

「マインド食べ」の背景


一言で「マインド食べ」と言っても、

✔︎ストレス発散の場にしている
✔︎食べることが習慣化している
✔︎睡眠不足がある
✔︎思い込みがある


など、「マインド食べ」の背景は様々です。


✔︎ストレス発散の場にしている時、私の場合は、
何かしら現状に不満を持っていて、自分の力ではなかなか変えられない時、忙しくて自分のやりたいことをする時間が確保できない時などに出現することが多いように思います。


✔︎食べることが習慣化している時、私の場合は、
一度何らかの理由で「お菓子」を食べ始めてしまうと、ついつい「食後に甘いものがないと食事が終了した感じがしない」と食後のお菓子を習慣化してしまったり、外来が終わってから疲れているとついつい甘いものを食べてしまう習慣ができてしまいます。


私は昔から、「お菓子を食べるのを途中で止める」方がエネルギーが要るので、「全か無か」の方が楽な性格です。
なので、お菓子は物珍しく好奇心をくすぐるもの以外は「食べない」と決めた方が楽だったりもします。
ただ、「ストレス」が溜まってくると、「決めた」ことがくつがえり、ついつい「マインド食べ」が始まります。
食べ始めて、なかなか途中でやめられなかったり、毎日食べることで、食べること自体が習慣化します。
一方で、「身体」はそれは嫌なようで、面白いくらいに、胃がもたれたり、少しむくみやすくなったり、身体が重くなったりとちゃんとサインをくれます。
今、私はこのサインを受け取っている最中です。

✔︎睡眠不足がある時、私の場合は、
「マインド食べ」が増えるように思います。
これは、果たして「マインド食べ」に分類して良いものなのか、迷いますが、「睡眠不足状態」って私たちが思っているよりずっと身体の中では「緊急事態」と認識されるのかもしれません。「緊急事態」が発動されると、脳が勘違いをして、「食べる」ということの優先順位を上げてしまうのではないかと考えています。
(これは、私が感じていることで、何かきちんと文献を読んだ訳ではありません。)


✔︎思い込みがあるは、上記の「危機的状況における脳の勘違い」も一種の思い込みだと思いますが、その他のものとして、「教育などでの刷り込み」や「自分自身で考えてきたこと」なども含まれると思います。

例えば、「朝ごはんは食べないといけない」、「ブドウ糖がないと脳が働かない」などでしょうか。
「朝ごはん」については、医学的にも様々な見解があります。
以前、「朝は「排泄」の時間なので、本来「朝ごはん」は不要だ」という内容の書籍を読んだことがあります。
時代によっても「正解とされるもの」が変遷していくので、正直、何が真実かというのは分かりませんが、「朝ごはんはしっかり食べる」という考えだけを植え込みすぎるのは避けた方が良いのかもしれません。


ちなみに私は、朝食を食べすぎない方が、午前中の仕事のクオリティーは高くなるので、朝食はあまり食べません。
消化・吸収にもなかなかエネルギーが要るので、朝はあまり消化・吸収にエネルギーを取られないようにと心がけています。


同じように「ブドウ糖がないと脳が働かない」ということに関しては、
脳は「ブドウ糖」をエネルギー源としますが、一部の病気により低血糖を起こしやすい方を除いては、1食欠かすと脳が働かなくなるほど「ブドウ糖」が枯渇することはないと考えます。
そして、身体は「食事摂取」以外にも、「ブドウ糖」を生み出す仕組みをちゃんと持っています。
もしかしたら、「脳が働かなく感じてくる」のは、「ブドウ糖」だけが原因ではないかもしれません。


ただ、「間食」をすることって、手っ取り早く「リフレッシュ」することができ、さらに「ブドウ糖」をとったことで、脳が働くような感じはするので、「リフレッシュ」していると割り切っての「間食」はありだと思います。

「マインド食べ」を意識することの意義


ここまで、長々と「マインド食べ」の背景を書いてきましたが、「マインド食べ」が悪い!!と言いたい訳ではありません。
生命を維持するためだけに食事をする訳ではないので、楽しく食事をすること、コミュニケーションの場になることなど食事の意義は沢山ありますし、美味しい食事は大好きです。


ただ、「食べてしまう」ことがストレスになることも、多くの方が経験しているのではないかと思います。
「マインド食べ」の比率が多いなと感じた時、「マインド食べ」の背景(=自分の食行動がどこから来ているのか)を認識するだけで、自分自身の「精神的負担」と「肉体的負担」を把握する手助けになるのではないかと思っているので、書きました。


私は今「マインド食べ」の比率が上がっています。
「胃がもたれる」「身体が少し重くなってきた」など、身体は私にちゃんとサインを送ってくれています。
ここで今、きちんとこのサインに向き合っておいた方が良いと感じています。


5-6時間はコンスタントに眠っていますが、私にとっては足りないようでやはり6-7時間眠っている方が調子が良いです。
睡眠がしっかり取れていると、身体が満足しているのか、あまり食べたい衝動にかられません。
睡眠時間の確保をもっと意識してみようと思います。


職場での働き方などが大きく変化し、この数ヶ月間で徐々に負担が増えてきていることも「マインド食べ」の原因となっていそうです。
ワークライフバランスが上手くいっている時は、あまり間食もしないのですが、一度間食するようになると習慣化してしまい、「ちょっとしたおやつが食べたい」となっているのが今の状態です。
前回の記事の「間合」ではないですが、仕事の中でも色々と押し付けられすぎずに自分の「間合」をしっかり保とうと思っているところです。


今回は、今の私の悩み「マインド食べ」の比率が上がってきたので、「マインド食べ」について書いてみました。
そして、身体からのサインを受け取ったので、少し意識して変えていける部分は変えていこうと思っています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。


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ABOUT ME
Dr.K
都内在住の30代女性。 内科医として、西洋医学・東洋医学を学び、現在都内で勤務医をしています。 自身が幼少期から気管支喘息、アレルギー体質であり、また大学時代の左前十字靭帯断裂後手術を受け、そして現在、変形性股関節症と向き合っています。 このブログでは、私自身が抱える健康問題に関して、西洋医学・東洋医学・代替療法・民間療法・スピリチュアル的なアプローチなど、興味が湧き、自分で納得したものを取り入れ、その結果をシェアしていきたいと思います。ゆくゆくはHolistic(ホリスティック)医学(=人間をまるごと全体的にみる医学)を提供できる医師を目指しています。