Dr.Kのあゆみ Vol.13(研修医卒業)
今回のブログはこれまでの「Dr.Kのあゆみ Vol.1~12」の続きになります。
「Dr.Kのあゆみ」シリーズVol.1はこちら
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進路決定の時
研修医中の各診療科での思い出はまた、改めてブログに書きたいと思っています。研修医2年目になり、日々がより慌ただしく過ぎていきました。研修医2年目となると、研修医卒業後の次なる進路を決めなければなりません。自分の専門と所属先を決めます。所属先は大きく2つ、「①大学病院(自分の出身校だけでなく、ある程度自由に選択することができます。)に入局する。」、もしくは「②市中病院に後期研修医(レジデント)として就職する。」に分けられます。私は、初期研修でお世話になった病院で後期研修をしようと早めに決めていました。その理由は、システムに慣れている場所で働くことで、新たに習得する専門分野の勉強に集中できるだろうと思ったことと、せっかく2年間続けた院内のミュージカルにも参加したかったことでした。
早々に所属先を決めた私でしたが、自分の専門がなかなか決められずにいました。というのも、研修医になる時点では産婦人科医になりたいと思っていましたが、研修医として各科を回る中で、外科系よりも内科系の方に魅力を感じるようになってきたのです。また、病院によって各診療科の雰囲気が違うので、自分の所属先の雰囲気のみで、将来の専門を決めてしまっても良いものかも悩みました。最後まで、父と同じ呼吸器内科か、自分自身が興味をもった腎臓内科かの2つで迷いました。もともと癌を診る診療科に行く時は外科系に進みたいと思っていたので、内科で癌を診る診療科ではない腎臓内科に決めようと思っていた時に、スピリチュアルカウンセラーをしている方から、「呼吸器内科に行くと忙しすぎて、潰れちゃうよ」とアドバイスをもらいました。実は、このスピリチュアルカウンセラーの方からのアドバイスですが、研修医時代、とにかく呼吸器内科が忙しくて、大変でしたが、大変だったことは伝えていないのに、「忙しくて、潰されちゃう」というものだったので、妙に納得しました。今後のHolistic joueneyに、スピリチュアルな要素は1つのキーワードになるので、次回のブログで書きたいと思っています。
そうして、私は腎臓内科へ進むことに決めました。
研修医忘年会
病院では毎年、救命救急センターの忘年会に研修医2年目が全員参加し、全員で本気の出し物をするという恒例行事がありました。この日だけ、研修医2年目は夕方から全ての業務から解放され、1年目が病院を守ります。当直でない研修医1年目は先輩の勇姿を一目見ようと、忘年会に参加します。私も研修医1年目の時、この忘年会に参加して、普段見られない先輩の姿を楽しみながら、「このクオリティのものを来年やらないといけないのか、これは大変だな」と思ったのでした。1年目の時に、「2年目の忘年会は絶対に成功させたい!」と心に誓いました。(一体何を誓っているのやら・・・)。私は、これまで数々の余興に参加してきた結果、自前でカラフルな全身タイツやヅラなどを持つくらいになってしまいました。
忘年会に向けた準備を始めたのは10月頃だったでしょうか、同期30人を何チームかに分けて、チームごとにネタを行い、一つの舞台のような流れにすることになりました。同期の女性陣はサンタの衣装を着て、可愛く踊ることに決定しました。ところが、ミュージカルでも1年目のみ女性役が来て、その後は全て男役という私にとって、サンタの衣装を着て可愛く踊るということがどうしても苦手なのでした。そこで、早々にサンタの衣装で踊ることを諦め、男性5名+私の6名でマイケルジャクソンの「Smooth Criminal」を完コピして踊ることにしました。ダンスはこの2本を柱にして、その他にもいくつかのグループでネタを行います。私は、研修医時代の大親友を巻き込み、女性二人で全身タイツを着て当時流行っていたお笑い芸人のネタをやりました。Smooth Criminalは仕事が終わって、夜な夜な集まって振り落としをして、踊りこみました。皆、住んでいるところも一緒なので、いつしか寮の踊り場が余興の練習の場になっていました。また、余興が始まるとノンストップで最後まで流れるように動画を作成し、その中に音楽から転換まで全て入れ込みました。
当日は、研修医2年目卒業を控えた同期全員で、思いっきりやりきって、大成功でした。同期揃って打ち上げをして、忘れられない夜になりました。
ちなみに、私の「余興に騒ぐ血」は祖母から受け継いだものだと思われます。祖母は、幼少期から日本舞踊を習っていて、藤間流の名取で、歌舞伎とお笑いが大好きなのですが、私はこの祖母の影響を強く受けていると思います。祖母は80歳過ぎまで、忘年会で、余興をしていました。毎年、お互いに今年の予定している渾身の余興のネタを報告しあっていました。随分前ですが、韓流ドラマの「冬のソナタ」が流行った時には、祖母はヨン様のかつらを買い、マフラーをして、ヨン様のモノマネをやっていました。今でこそ外で余興はやっていないようですが、今年の正月、親戚での集まりの前に祖母から連絡があり、余興を仕込まれました笑。今でも頭の回転が早く、カッコいい祖母です。
研修医卒業の時
早いもので、あっという間に3月を迎え、いよいよ初期研修医終了の時です。終了の日、2年目研修医は1人ずつ、2年間で印象に残る症例の発表を学会発表の形式で行います。一人ずつ30人分の発表が終わり、後輩も来て、涙のお別れです。12、13名ほどはそのまま病院に残るのですが、その他の同期とはなかなか会えなくなります。お昼には、研修医が始まってから頻繁に通ったハンバーガー屋さんに皆でいきました。2年間本当に毎日一緒にいたメンバーだったので、別々の道を歩んでいくというのが信じられない感じでした。卒業した日の夜、私たちは病院から連絡が来ることが全くないという、考えられないくらいの解放感で全員で飲みにいきました。この日はかなり飲んだと思います。そして、翌日は同期全員でバスを借りて、熱海に1泊旅行にいきました。翌日と言っても、出発の数時間前まで皆で飲んでいたので、帰って1時間ほど寝て、慌てて起きて旅行の準備をし、出かけるぞ!というところでしたが、ここでハプニングが発生しました。持っていくバックの持ち手の部分に足が引っかかり、私は宙に浮き、足をつく時に右足の親指が曲がったまま床についてしまったのです。しまった!と思いましたが、右足の親指は腫れてきて、スニーカが履けそうにありません。しかし、出発はせまっていたので、大きめのクロックスに足を突っ込み、親友に支えられながら、バスに乗り込みました。痛みはありつつも、問題なく楽しめました。
宿泊先では、全員で一つの部屋に集まり、輪になって手をつなぎ、目をつぶって、一人ずつ研修の思い出や皆への感謝を話していきました。皆、泣いていました。そして、翌日バスで病院まで帰ってきて、文字通り、「それぞれの道」へと分かれて帰って行きました。これで、2年間の研修医生活が終わりました。
番外編:研修医の私からみた看護師さんの世界
ここで、番外編として研修医の私からみた看護師さんの世界を書いてみようと思います。医師の世界はある意味男性の社会だと思うのですが、看護師さんは今でこそ男性看護師さんも多いですが、圧倒的に女性が多く、独特の世界だなぁと思います。私は中高女子校出身なので、女性だけの世界というのには慣れてはいるのですが、中高時代の女性だけの世界とはまた少し違う印象がありました。病棟の数は17病棟あり、各病棟には、師長さんが1人、副師長が2人、その他看護師さんは15名ほどだったように思います。働き始める時に、「男性医師の方が優しくしてもらえて働きやすい」というお話しを聞いていたので、スタートからハンデを負っているかと思っていましたが、実際はそんなことは全くありませんでした。男性女性に関係なく、きちんと相手の立場を尊重しながら、「コメディカルの人の働きやすいように」という先輩の教えを守っていると、すごく自分も働きやすく、沢山助けてもらいました。当直と夜中に呼び出されたりが続いて、ヘロヘロになっていた時、こっそり看護師さんが看護師さんのの休憩室で寝かせてくれたこともありました。
17病棟は、本当にそれぞれのカラーがあって、客観的に見ていて、とても面白かったです。師長さんは色々なタイプがいて、「お母さんのように慕われて、娘のような看護師さん達がプライベートのことも相談するほどの濃い目の関係性を築いて病棟をまとめる師長さん」、「女性としてカッコよく、憧れられることで颯爽と病棟をまとめる師長さん」、「ふわっと空気のような存在で実際にまとめているのは副師長さんだけど、ここぞという時には出てくる師長さん」、「仕事ができて厳しさがあり、緊張感とともに病棟をまとめる師長さん」、あとは「少し嫌われ役になることで皆がまとまる師長さん」、など本当に十人十色で色々な師長さんがいました。何が正解というわけではなく、色々なまとまり方があって良いなぁと思うと同時に、女性がどういう風に信頼関係を築いていくか、ということが少し客観視できたように思い、勉強になりました。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。ようやく初期研修医生活が終わりました!。これから、腎臓内科の後期研修医(レジデント)として働き始めます。次回も是非ご覧いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
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