医学・健康について思うこと Vol.10（便秘のその後〜「主」と思っていたのは・・・）
今回のブログはこれまでの「医学・健康について思うこと Vol.1~9」の続きになります。
「医学・健康について思うこと」シリーズはこちら
はじめに
今回のブログは前回のブログ「医学・健康について思うこと」シリーズのVol.8 「便秘になりました」の続きになります。
またまた、便のお話になりますので、お食事中の方、苦手な方は今回はスキップしてください。
前回は、日曜日に腸内洗浄を行って、その後木曜日の朝まで便が出なかったという記事を書きました。
前回の記事では、自分の感覚では腸内洗浄でパンドラの箱を開けて、奥から「主（ぬし）」のような便の塊が降りてきて蓋をしてしまったというイメージをお伝えしていたかと思います。
下図のようなイメージでした。
ところが、「主」を出そうにも、一向に出てきません。
そうこうしていると、金曜日に月経が来ました。
どうやら、「主」と思っていたお腹の張りは、月経のときに見られる下腹部が重い感じを勘違いしていたようです。
それにしても、何というタイミング！！
腸内洗浄を終えた直後に、月経による体の反応があったので、てっきり腸内洗浄の影響で便だと思ってしまったようです。
子宮さん、すっかり忘れてしまい、ごめんなさい。
ただ、月曜日から金曜日の午後までは実際に便が出なかったのは事実で、タイミングとしてもてっきり便が詰まって張ってしまっていると思い込んでしまいました。
そして木曜日の記事以後の排便状況のご報告です！！
金曜日の午後に、比較的まとまった軟便が出ました。
土曜日は1日出ずに、日曜日にバナナ状の綺麗な便が2本出ました。
この間に行った対策を書いていこうと思います。
便秘対策としてやってみたこと
今回、便秘に対して少し色々と対応してみたことがありますので、ご報告しようと思います。
今後このブログで「便秘に対してのまとめ」や「薬について」は書こうと思っているので、今回は実際に自分が対応してみたことだけ書いていこうと思います。
まずは、飲んだ薬の紹介をして、次にその効果を書いてきます。
①西洋薬
「モビコール」
まずは、便を軟らかくするお薬を飲んでみました。
モビコールは日本では2018年11月末に発売された比較的新しい薬です。
他国では、1995年に登場し、使用されてきた薬です。
酸化マグネシウムという同じく便を軟らかくする薬がありますが、薬を飲んだ後、マグネシウムが胃腸で吸収されずに大腸まで届いて、便に水を引きつけて便を軟らかくするイメージです。
モビコールは水に溶いて飲むのですが、結構塩辛い感じがします。
モビコールも酸化マグネシウムも、便の硬さに応じて量を調整していきます。
私は、これまでこれらの薬を飲んだことがありませんでした。
モビコールの用法用量ですが、大人は1回2包ずつ、飲み始めは2包から始めて、硬さに応じて１日6包まで内服することができます。
2包から始めるとありますが、患者さんに処方をする時は1包から始めて、増やしていくことも多いです。
私は初めての内服だったので、1包から内服開始しました。
②桃核承気湯（漢方薬）
次に、漢方薬の数ある便秘に対する薬のうち、桃核承気湯という薬を飲んでみました。
腸を動かして便通をよくする作用のある「大黄」という生薬、便を軟らかくする酸化マグネシウムと同じ働きをする「芒硝」という生薬が入っており、比較的しっかり効き目がある便秘薬です。
（便秘だけでなく、東洋医学で瘀血と言われる病態を改善したり（血の巡りをよくする）、イライラなどにも使ったりします。）
漢方の外来で実際に患者さんに処方する時は、きちんと体質やその他の症状に合わせて薬を選ぶのですが、今回自分が飲むために「桃核承気湯」を選んだ理由は、あまり大きなこだわりませんでした。
その理由は、
（1）外来で「桃核承気湯」を使用する機会は比較的多いので、自分でも飲んでみたかったこと。
（2）煎じ薬ではない漢方薬の「便秘薬」の中では、比較的効果がしっかりあるので、効果を感じやすいのではないかと思ったこと。
※煎じ薬（刻んだ生薬を処方して、自宅で煎じて飲む薬のこと）に対して、煎じ薬でない下の図のような漢方薬のことをエキス製剤と呼びます。
下の図のイメージのパッケージのメーカー以外にも他のパッケージのタイプをもつメーカーもまだまだありますので、あくまでもイメージです。
（3）たまたま薬を持っていた。
というのが理由です。
③コントレックス
私は今回、「便秘ー！」と思ってから、モビコールと桃核承気湯をたまたま持っていたのですが、普通はすぐには薬が手に入らないと思います。
ドラッグストアでも下剤は買えると思いますが、薬以外の方法も1つやっておこうと思って選んだのがコントレックスでした。
コントレックスは硬水で、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、サルフェート（硫酸塩）、重炭酸塩、硝酸塩が入っています。
マグネシウムも入っており、便を軟らかくして出しやすくするようなイメージで捉えて良いと思います。
私はこれまで、コントレックスをしっかり飲んだことはなかったので、硬水がどのくらい便通に影響があるのか、試してみたくて選びました。
ただ、残念ながら一時の流行りが終わってしまったようで、近所のコンビニやドラッグストアで売っていなかったため、すぐには手に入らず、Amazonで購入しました。
500mlのものを選び24本届きました！！（これ以上少ない単位のものはなかったように思います。）
医薬品より手に入りやすいのでは？と選んだコントレックスでしたが、逆に医薬品の下剤よりよっぽど入手しづらかったです。
今回は水曜日から土曜日までの4日間と短期間だったので、この3つを試しました。
長期的な効果ではなく、短期的な効果となりますのでご了承ください。
結果
・水曜日
まずは水曜日の夜、モビコールを飲んで寝ました。
・木曜日
モビコールが効いて、軟便になって出てくるのではないかと思いましたが、1包だったからか木曜日は全く反応がありませんでした。
夜にAmazonからコントレックスが届きました。
水曜日のモビコールで軟便にならなかったので、今度はお腹を動かす下剤にしてみようと夜に桃核承気湯を内服して寝ました。
夜中、桃核承気湯だろうなぁと思う、お腹の動きが活発化してきた感じがありました。
・金曜日
夜中お腹が動いていたので、期待したのですが、金曜日の午前中まで出ませんでした。
この日から早速コントレックスを飲み始めました。
（コントレックスだけを飲みました。）
午後になり、クーラーでやや冷えたところで、排便がありそうな感じがし、ついに待望の便が出ました。
便は緩く、どちらかというとクーラーで冷えたような感じです。
コントレックス＋クーラーで軟便という、想定外の形で排便がありました。
そして、この日から月経が始まりました。
「主」と思っていたものは便の塊ではなくて、月経のお腹の張りだったか、という反省と、自分自身で気がつかなかったことに驚きました。
・土曜日
この日はコントレックスだけを飲みました。
本当はもう少し水を多めに水を飲みたいのですが、外来中はお手洗いに頻繁に行けないので、癖で普段あまり水を飲まないようになっています。
今後は自分の体も大切に、水分もしっかりとろうと思っているところですが、気がついたら飲むのを忘れてしまっています。
この日は便は出ませんでした。
・日曜日
今日（日曜日）このブログを書いています。
午前中、エゴスキューという運動をした後、久しぶりに立派な程よい柔らかさのバナナ型の便が2本出ました。
コントレックスで少し便を軟らかくしつつ、適度な運動をすることで無事に便が出た感じです。
特にエゴスキューの最後のメニューの踵あげを行うと、いつもお腹が動く感じがあります。
最近はその流れでもうまく排便がなかったのですが、日曜日は気持ちもゆったりしていて、朝も時間の余裕があり、エゴスキューからの流れに上手く乗ることができ、良い形の便通がありました。
・気をつけたこと
コントレックスは飲んだ後、少し喉が乾きました。
コントレックスは1日500ml1本までにしました。
その理由は、体がこの硬度の水に慣れていないこと、逆に喉が乾いてしまったので、自分には通常の水も同時に必要と感じたからです。
個人差があると思うので、健康食品会社や製薬会社、他人が勧める量ではなく、自分にとって必要な量を見極めることも大切だと思っています。
あとは、リスクマネージメントとして、1つの物を取りすぎないということも意識しています。
感じたこととまとめ
今回、「短期間で便通改善に対して、やってみたこと」で書きました。
今回、便通状態に影響するもののうち、食事内容/食事量・運動・水分量・睡眠時間・月経周期・忙しさ（ゆっくり排便をする時間が取れない）など、多くの要素を検討せずに、純粋に行った対応策だけを書きました。
この経験を通してお伝えしたかったことは、
「この対応がオススメ」という方法論ではなく、一般的に医師は健康のスペシャリストで自分の健康のことも良くわかっていると思われているかもしれませんが、私自身、今回は自身のことなのに月経と便塊を間違えましたし、諸々やってみて自分に合う方法を探していくというトライアンドエラー方式をやってみるしかなかった
ということです。
短期間での結果の報告となったので、また今後も自分なりに考察をしていきます。
これからの対策として、まずは薬は飲まずに、運動と食事でコントロールしてみて、硬めだと感じたら、コントレックスを1本/日まで、それ以外は通常の水を飲むという方式でやっていこうと思っています。
今回も最後まで御覧いただき、ありがとうございました。
いつにも増して、まとまりがなくなってしまいましたが、便通コントロールに対するリアルな葛藤をお届けできたらと思います。
そして、月曜日から金曜日までの5日間出なかっただけでもかなり、苦しかったので、日頃便秘に困っている方は、苦しいだろうなぁと思いました。
次回もご覧ください。
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