医学・健康について思うこと

「医学・健康について思うこと」 Vol.14(話題の「発酵ショウガ」作ってみました)

発酵ショウガ

「医学・健康について思うこと」 Vol.14(話題の「発酵ショウガ」作ってみました)

「発酵ショウガ」とは


今日は貴重な平日お休みをいただいて、家でのんびり過ごしました。
できれば、週休1日でなく、週休2日で働けたらなぁと思います。


そんな平日のお昼を満喫していると、日本テレビ系列の「バゲット」という番組で
「発酵ショウガ」というものが紹介されていました。
紹介されていた方は、イシハラクリニック副院長の石原新菜(いしはら にいな)先生でした。
よくメディアでも拝見する先生です。


石原先生は、「生姜」で有名なようで、今回は「発酵ショウガ」を紹介されていました。


番組内では

「生姜を発酵させると・・・
乳酸菌が増えることで胃腸の活性化・免疫力向上、保存性も向上する」

と紹介されていました。

どうやら、「発酵ショウガ」とは、ショウガを2週間かけて寝かせることにより、乳酸菌が増えたショウガのようです。

「発酵ショウガ」の作り方


番組内で紹介されていた作り方を書きます。

用意するもの

 ✔︎生姜


 ✔︎おろし金


 ✔︎ガラス瓶(蓋をしっかり回して閉めるタイプがオススメ)

作り方

 ①ガラス便は煮沸消毒して自然乾燥させておく


 ②生姜は皮を洗って、水気をしっかりとる
  ※皮は剥かずにそのまま使います


 ③皮ごとおろし金ですりおろす


 ④ガラス瓶に汁ごと入れてフタをする


 ⑤冷蔵庫に入れて2週間待つ


とっても簡単で作りやすそうな印象を受けました。
また、2週間待って完成した「発酵ショウガ」は半年間日持ちするということでした。
私は普段からよく生姜をすって何にでも入れて食べるので、保存性があり、すぐに食べられる「発酵ショウガ」は使い勝手が良さそうです。

「発酵ショウガ」を作る際の注意点

①すりおろした生姜は瓶の口ギリギリいっぱいまで詰める
   理由:できるだけ空気と触れる面が少ない方が良いため。


②完成するまでの2週間は、瓶を開けない
   理由:空気に触れさせないため。
      ※密閉しておくと雑菌が不活性化され、乳酸菌が優位に働くようになるため。


③途中で減ってきても、新たにすった生姜を追加しない
   理由:新鮮な生姜は発酵生姜ではなく消費期限も短いため。


④摂取量の上限の目安は20g程度にする

「発酵ショウガ」と相性の良い食品


また番組内では、「発酵ショウガ」と相性の良い食品として、甘酒、ココア、味噌があげられていました。

 ✔︎ 甘酒
   ※甘酒にはブドウ糖・ビタミンB群・必須アミノ酸などの栄養素が含まれる。
    発酵ショウガを加えることにより、胃腸の機能が良くなり、ビタミンB群の吸収がアップする。
    →労回復効果アップが期待できる


 ✔︎ ココア
   ※ココアに含まれるカカオポリフェノールには、血圧を下げて食後の血糖値の上昇も抑える効果がある。
    さらに発酵ショウガの食物繊維にも血糖値の急上昇を抑える効果がある。
    →血圧と血糖値のダウンが期待できる。

 ✔︎ 味噌
   ※味噌もこうじ菌に夜発酵食品なので、同じ発酵食品の発酵ショウガととても相性が良い。
    乳酸菌(発酵ショウガ)とこうじ菌(味噌)でWの整腸作用がある。
    →免疫力・代謝アップが期待できる。


ということでした。
甘酒もココアもものによっては、糖分が高いものがあるので、その点に気をつけながら、適量飲むと良さそうです。

早速作ってみた


せっかくのお休みなので、すぐにダイソーでまわすタイプの蓋がついたガラス瓶を購入して、作ってみました。
まずは、比較的小さな瓶を買ってみました。


生姜はこちらを購入しました。

生姜


リーズナブルで綺麗な生姜だったので、3パック購入しましたが、小さな瓶に使用した生姜は1.5パック弱です。
(比較的大きめの生姜2.5個弱です。)


生姜をすりおろして、煮沸消毒したガラス瓶に入れ、瓶の口ギリギリまで空気に触れることが少ないように押し込みながら入れていき、出来上がったのがこちらです↓。

発酵ショウガ


完成まで2週間ということなので、9月30日まで待ちたいと思います。
すりおろしたてのショウガよりも発酵ショウガの方がマイルドになるようです。楽しみです!!

漢方治療で使う「ショウガ」について


せっかく、「生姜」の話題になったので、ここで漢方治療で使用する「ショウガ」についても簡単に触れてみたいと思います。
タイトルにあえて「ショウガ」とカタカナで書きました。


一言で「ショウガ」といっても漢方治療で使用する「ショウガ」は大きく2つあります。


 ✔︎生姜(しょうきょう)
    ※生の状態から乾燥させたもの

 と
 ✔︎乾姜(かんきょう)
    ※蒸した後に乾燥させたもの


です。


この2つの違いはというと・・・
 蒸すかどうか
です。
どうして蒸すかというと、熱を加えることによって「ショウガ」に含まれる有効成分が変化します。
ショウガには辛味成分として、ジンゲロールショウガオールなどが含まれるのですが、加熱処理前のショウガにはジンゲロールが多く含まれます。
一方、加熱処理を加えると、ショウガオールの割合が増えます


 ✔︎ ジンゲロール:健胃作用 (吐き気がある時など)
 ✔︎ ショウガオール:温補作用 (冷えがある時など)


ショウガオールは体を中から温める作用が強いため、漢方では冷えに対する治療では、加熱処理をした乾姜(ショウガオールの割合が多め)を使用します。
具体的には、体の中から冷えることによって起こる下痢や便秘、腹痛や透明の鼻汁などに使う漢方薬に含まれていることが多いです。


一方、生姜(ジンゲオールがメイン)は胃の調子を整える健胃作用があるので、胃の不調の際に使用することが多いです。
また、他にも解熱や咳止め効果も期待でき、葛根湯を含め様々な漢方薬にも入っています。


熱を加えることで、同じ「ショウガ」でも2つの異なる生薬となるのです。
このような処理のことを修治と言います。


修治の他の例としては、「附子」という生薬がありますが、これは毒がある植物として有名な「トリカブト」の塊根を安全に使用できるように処置した生薬ですが、とても温める効果が強く冬場は特に重宝します。このように減毒も修治の1つです。


「ショウガ」といっても、使い方で効能が違うので、日常の中で意識してみてください。
胃の調子が悪いと思ったら、「生のショウガ」がオススメです。
その際には、体が冷えないように温かいものに加えるとさらに良いと思います。


今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
貴重な平日休みで、たまたま見たテレビの「発酵ショウガ」に魅かれて、作ってみたので、記事にしてみました。
簡単に作れたので、ぜひ作ってみてください。
そして、「ショウガ」の摂り方についても、状態に合わせた摂り方を意識してみてください!
次回もぜひご覧ください。よろしくお願いします。


私は実際に読んではいないのですが、石原先生の著書に「発酵ショウガ」についての本がありました。
興味がある方はぜひ。



また、栃本天海堂が出している「ちょっぴり大人なしょうが湯」という製品は、「ショウガ」は生姜と乾姜どちらも入っているようです。
手間のかかる蒸したショウガである「乾姜」を入れていることで、温めの作用は強いかと思います。
冬に冷えで困っている方は、こちらも試してみる価値があるかもしれません。


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ABOUT ME
Dr.K
都内在住の30代女性。 内科医として、西洋医学・東洋医学を学び、現在都内で勤務医をしています。 自身が幼少期から気管支喘息、アレルギー体質であり、また大学時代の左前十字靭帯断裂後手術を受け、そして現在、変形性股関節症と向き合っています。 このブログでは、私自身が抱える健康問題に関して、西洋医学・東洋医学・代替療法・民間療法・スピリチュアル的なアプローチなど、興味が湧き、自分で納得したものを取り入れ、その結果をシェアしていきたいと思います。ゆくゆくはHolistic(ホリスティック)医学(=人間をまるごと全体的にみる医学)を提供できる医師を目指しています。