変形性股関節症のこと

変形性股関節のこと Vol.2(試してみた治療①)

試してみた治療

変形性股関節のこと Vol.2(試してみた治療①)

今回のブログはこれまでの「変形性股関節症 Vol.1」の続きになります。
「変形性股関節のこと」シリーズVol.1はこちら


2018年1月24日に初めて起こった左股関節痛に対して、今回は「試してみた治療①」と題して、自分が受けてみた治療を記載しようと思います。
※あくまでも「私個人の感想」です。私に効果がなかったものを否定するものではありません。
自分なりの指標として、それぞれの治療の体感を☆5つ内で表現してみたいと思います。
何かしらの良い変化があったものを★星1つ
股関節に良い変化があったものを★星2つ以上
で、表してみます。

漢方治療


2018年4月より東洋医学の勉強を始めた私は、自分自身で漢方治療をやってみようと考えました。
4月26日、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)という薬を開始しました。この薬を選んだ理由としては、下半身(お尻から足先まで)の冷えがとても強かったため、「冷えが原因で痛む」ことを治療目標にして選びました。1日2回内服し、初めて飲んだ時は、飲んだ直後より下半身の節々のスイッチが少しずつ点灯していくように感じ、足は温まったように感じました。しかし、残念なことに左股関節痛には効果がなく、睡眠中も変わらず痛みがありました。


No.1)漢方(当帰四逆加呉茱萸生姜湯):★☆☆☆☆(冷えは改善するも股関節痛は変わらず)


1ヶ月近く当帰四逆加呉茱萸生姜湯を内服し、冷えは少し改善したのですが、目標の左股関節痛には特に変化を感じませんでした。冷えが股関節痛に関連するという読みだったのですが、少し方向性を変えてみることにしました。

漢方で、加齢とともに起こる腰痛や足の痺れ、頻尿などに使用する薬に八味丸(はちみがん)という薬があります。八味丸を5月20日から1日2回内服開始しました。漢方に特有の診察に、脈診(脈をとって診察する)や舌診(舌を見て診察する)、腹診(お腹を触って診察する)というものがありますが、八味丸を使う目標となるお腹の所見である小腹不仁(臍の下の下腹部の筋力が軟弱になっており、指で押すと指が入っていきます。)が自分で診察するとありました。小腹不仁も決めての1つでした。薬を初めて、2週間近く、左股関節痛は変わりませんでしたが、足のしびれやや改善したかなといった感じでした。しかし、股関節痛は全く変わりませんでした。

No.2) 漢方(八味丸):★☆☆☆☆(足の痺れには少し良いが、股関節痛は変わらず)

八味丸での変化を感じず、7月4日の夜から五積散(ごしゃくさん)という薬を内服し始めました。五積散を選んだ理由は、冷えと股関節痛でした。漢方治療では、それぞれの漢方薬に対して、使用してきた先人達の経験に沿った使用目標があり、それを口訣(くけつ)と言います。五積散の口訣の1つに、腰冷痛(腰が冷えて痛む)、腰股攣急(腰より股へかけて筋ばる)というものがあり、この腰から股関節にかけて筋張ったり、痛んだりすることというのを目標にしました。
五積散を初めて内服したその日は、数ヶ月ぶりに痛みを忘れて眠ることができ、感動したのを覚えています。

五積散内服により痛みは最大を10としたら、7まで改善し、睡眠の質が良くなりました。
7割残っているとはいえ、3割減ったことがとても楽にしてくれたのです。
7割の痛みに慣れていき、まだまだ痛い感じが残っていたので、完全に楽になったとは言えませんでした。

No.3) 漢方(五積散):★★☆☆☆(股関節痛は、3割改善。)

羽毛布団


五積散で少し眠れるようになったのですが、やはり日が経つにつれて日中の痛み、睡眠中の痛みは少しずつ悪化していきました。冬になると、IKEAで購入した普通の掛け布団の重さでさえ、股関節が痛くて耐えられなくなってきました。
重いために股関節の上に乗せられず、脇に置くのですが、そうすると冬場は寒く、冷えて痛んでの悪循環でした。


思い立って、布団の西川に羽毛布団を買いに行きました。
私のニーズは「①軽いこと」、「②温かくなること」でした。


残念ながら、この2つのニーズを満たす羽毛布団はとても高級な羽毛布団だったのです。私は清水の舞台から飛び降りる覚悟で!羽毛布団の購入を決めました。
ところが、これがとても良い買い物だったのです。


購入して、早速羽毛布団で寝てみると、「びっくり!!」感動でした。あんなに重くて苦しかった布団が、軽くて、負担が少ないのです。
さらに、とっても温かく冷えがあったので本当に助かりました。
高い買い物でしたが、本当に買ってよかったと思いました。

No.4)布団の西川「羽毛布団」:★★★☆☆(睡眠中の股関節の負担が軽減し、何よりもとても温かい。)

整体に行ってみる(1件目)


私は、股関節痛を軽減するために整体に行ってみました。1件目の決め手は、実は患者さんから教えてもらった整体でした。日常診療の中で、医師よりも、日頃自身の痛みと向き合っている患者さんの方が整体の情報などに詳しいことはよくあります。ある患者さんが、「母の腰痛が一発でとれたすごい整体があり、私も行ってみたら、痛みがすぐにとれたのよ」と話してくれました。その整体の名前を聞いてみたところ、教えてくれたので、行ってみることにしました。電車で1時間近くかかりましたが、行ってみました。すると実に不思議な治療法だったのです。
一通り、体の動き等を見てもらったあと、整体の先生は私の耳の後ろの骨の出っ張りの下の部分をじっと押し始めたのです。何かが変わっているのか、なんなのか、わからずに待っていると、施術が終わりました。私としては、藁にもすがる思いで行ったので、ポジティブに何か変わったかも!と期待しながら帰宅しました。
あまり変化は感じなかったのですが、患者さんが「特別な施術」の勉強をされた先生らしい、とおっしゃっていたので、その「特別な施術」というのは何かというのが気になってしょうがなくなり、再度同じ整体に行ってみました。

2回目の施術の時に、「この耳の後ろの骨の下を押す施術は一体どういう施術なのか?」ということを尋ねてみました。すると、整形外科の医師がアメリカでカイロプラクティックを学び、神経の流れを良くすることを目的に始められた治療法で、その勉強会に参加して施術を学んだと教えてくれました。具体的な先生の名前などは、おっしゃらずに、私もそれ以上は尋ねませんでした。

施術が終わり、帰りの電車の中で、教えてもらった情報から探してみると、「松久正先生」でした。
※松久正先生は、今では安倍昭恵夫人が大分宇佐神宮参拝に参加したことで有名になりました。
当時は、教えてもらった情報だけでは、なかなかたどり着かないくらいでしたが、何とか松久正先生の著書「首の後ろを押すと病気が勝手に治りだす」という本を発見しました。

現在は、少し奇抜な本をたくさん出版しておられますが、整体で教えてもらって検索した時はそこまで著書が多くなく、整形外科医らしい(と言ってはおかしいかもしれませんが)ラインナップでした。
早速購入して、読んでみました。(もし、読んでみたいと思われる方がいたら、一番したにリンクを貼っておきます。)


読んでみると、整形外科の松久先生の歴史も書いてあり、日本での整形外科の治療に納得いかず(外科手術だけで症状をとることができないケースが多いことなど)に、アメリカの大学でカイロプラクティックを学び、それでもまだ足りずに、模索されている様子にとても共感でき、首の後ろを押す意味も納得できました。「神経の流れ」を正すという新しいアプローチにも驚きました。そこで、この治療法をやってみることにしました。


私はこの本を購入してから、せっせと「首の後ろ」を押すようになりました。股関節痛は残念ながら変化がなかったのですが(私が正しく行えていなかった可能性もあります。)、首がすっと正しい位置にくるような感覚はありました。この治療法は、自分の判断で行ってもあまり強く押しすぎない限りは、危険が少ないと感じました。

No.5) 整体①:☆☆☆☆☆(あまり変化がなかった。(少し判断するのが早かったかもしれないのが反省点。))
No.6) 「首の後ろを押すと病気が勝手に治りだす」(松久正著):★★☆☆☆(股関節痛自体はあまり変化がなかったが、首は少し楽に。「新しい概念をもらった」という意味で★2つ。)

整体に行ってみる(2件目)


次に、インターネットで情報を得た整骨院へ行ってみました。ここは、当時ネットの検索「変形性股関節症 整体」で検索して上位にヒットした整骨院でした。サイトには、全国から患者さんが集まり、3回の施術で痛みを改善させる指導を行うという内容でした。ある意味、1件目と大きく毛色が違う治療内容でした。


この整骨院も1時間以上かかるので、期待でドキドキしながら行きました。
1件目は、変形性股関節症の方に有名な整体というわけではなかったので、2件目のインターネットでの前評判の高さに期待が膨らみました。また、価格も比較的高めの設定でしたので、合わせて期待につながりました。


私は少し早めに到着し、指定された時間まで少し外で待って、時間になってから入りました。初めてで、どんな先生だろうと思いながらドアを開けると、そこに誰もいません。
「すみません・・・」と声をかけると、先生が「あ〜、もう少しそこで座っていてください」と奥から少しだけ顔を出し、椅子を指さされました。私は椅子に腰掛けて少し待っていました。
正直、最初の「あ〜」のところが、「もう来ちゃったか」という声でも漏れ出そうな表情で、あまり第一印象がよくありませんでした。


待っている間に周囲を見渡すと、患者さんから寄せられた声が掲示されていたり、「ご縁に感謝」の文字がいたるところに貼ってありました。
第一印象で「ご縁に感謝」している雰囲気を微塵も感じなかったので、途端にうさんくさく感じられました。その後、痛みを柔らげる指導をしてもらい、私もそこは一生懸命吸収しようと思い、覚えて帰りました。
「インターネットには初日の帰りには痛みが改善」という声が多かったのですが、私はその日は特に症状は変わらず、帰宅してから教えてもらった内容を一生懸命やってみました。
しかし、どうしても遠方まで会いに行きたいと思う先生ではなかったので、1回で中断してしまいました。

No.7)整体②:評価困難(★つけられず)(変化がなく、先生との相性が良くないかも。(治療方法については言及できるほど実行していないことが反省点で評価困難とする。)←これは私の問題で、治療方法が問題だったわけではない(かもしれない)。)


今振り返ると、2件目で実はもったいないことをしていたのかもしれません。
今、私が良いと思っている方法に比較的近いのではないか?と思うので、続けていたら変わっていたかもしれませんが、やはり治療というのは治療家と患者の相性というものは大きいと感じました。

今回は私が患者でしたが、通常私自身が治療家である時には、自分のコンディションがどうであれ、1回1回の接点を大切にしなければ、それこそ次はなく、患者さんは来てくれないかもしれないということを学びました。

そのためにも、自身のコンディション「心・体・魂」を健康にしておきたいと強く思います。

このタイプの違う2件に行けたことは私にとって幸運でした。変形性股関節症に対してのアプローチも様々であることがわかりました。
この時、私自身は患者として、陥りやすい困った考え方をしていたのです。
「誰かが私の股関節を治してくれる!!」そう思っていたのでした。


今回も、ご覧いただき、ありがとうございました。次回もぜひ、読んでいただけると嬉しいです。

途中で紹介した本はこれです。: 「首の後ろを押すと病気が勝手に治りだす」(松久正著)


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ABOUT ME
Dr.K
都内在住の30代女性。 内科医として、西洋医学・東洋医学を学び、現在都内で勤務医をしています。 自身が幼少期から気管支喘息、アレルギー体質であり、また大学時代の左前十字靭帯断裂後手術を受け、そして現在、変形性股関節症と向き合っています。 このブログでは、私自身が抱える健康問題に関して、西洋医学・東洋医学・代替療法・民間療法・スピリチュアル的なアプローチなど、興味が湧き、自分で納得したものを取り入れ、その結果をシェアしていきたいと思います。ゆくゆくはHolistic(ホリスティック)医学(=人間をまるごと全体的にみる医学)を提供できる医師を目指しています。