Dr.Kのあゆみ

Dr.Kのあゆみ Vol.19(後期研修医3年目、新しい旅立ち)

後期研修医終了

Dr.Kのあゆみ Vol.19(後期研修医3年目、新しい旅立ち)

今回のブログはこれまでの「Dr.Kのあゆみ Vol.1~18」の続きになります。
「Dr.Kのあゆみ」シリーズVol.1はこちら
「Dr.Kのあゆみ Vol.18」はこちら

後期研修医3年目の始まり


後期研修医2年目の夏休みから、「ニューヨークに住む」という新しい夢ができました。そして最後の後期研修医1年間をどう過ごそうかと考え始めました。また、腎臓内科のメンバーも4月から変わりました。これまでの上司は変わらず、もう一人の先輩が加わりました。その先輩は、美味しいものに詳しく、イクメンで、ワークライフバランスの取り方が上手で、穏やかな、素敵な先生です。その先生と、将来についてもいろいろと話をしました。私は腎臓内科としては、今いる病院のことしか知らないので、違った世界を見るためにも、大学病院の腎臓内科へ国内留学してみるのも良いのでは?とアドバイスをくれました。先輩は自分が入局し所属している大学病院ではなく、有名な先生がいらっしゃって活気のあると言われていた大学病院へと連絡をとってくれ、自分の病院と上司からの許可が下り、8月から半年間国内留学をすることが決定しました。

国内留学


先輩のおかげで、8月から大学病院の腎臓高血圧内科で研修が始まりました。有名な先生のいる大学病院だったので、私と同じように全国から「勉強したい」と若手の医師が多く集まっていました。そこでは、各々の得意分野の知識の量や、スキルアップのために勉強している内容などが、とても刺激的でした。この国内留学期間中、医学が趣味のように勉強をする若手メンバーに出会い、自分の中に「私は医学がそこまで好きではないのかもしれない」という新たなコンプレックスが芽生えました。みんながエビデンスや最新の治療薬の話などをしていても診察に最低限必要な知識は入れたいですが、それ以上はあまり興味がないことに驚きました。大学病院には個性豊かな先生方がいらっしゃって、本当にいろいろなことを教わりました。「医学がそこまで好きではないのかもしれない」というのを紐解くと、医学全般に興味がないわけではなく、診療の中で活かせる知識を教えてもらったり、勉強したりすることはとても楽しい一方で、最新の治療薬や薬剤のエビデンスにはあまり興味がわかなかったことに気がつきました。薬剤のエビデンスに興味がないというと語弊があると思います。今後のブログで自分の考えを書いていきたいと思っています。目の前の患者さんを診察して、少しでも元気に過ごしてもらうということにはとっても興味があり、好きなのですが、どうしても患者さんの存在を感じない場での医学の勉強というのは苦手でした。
国内留学を通して。腎臓内科医としてのスキルアップだけでなく、十人十色の価値観を持つ仲間に出会い、これまで気がつかなかった自分に気づくことができたのも自分にとって重要な経験で、このタイミングで国内留学の機会をもらえたことに感謝しました。

最後の院内ミュージカル


後期研修医3年目が終了した後は、5年間お世話になった病院を離れ、ニューヨークに行くことは決めていたので、3年目の年が最後のミュージカル公演となりました。私は、役作りのためにショートカットにして気合を入れ、お世話になった病院と患者さん、そしてミュージカルで出会った仲間と一緒に最後の舞台を味わいました。5年間、憧れた病院で、ミュージカルに出演することができ、今でも尊敬し続けている上司や、先輩、同期に恵まれ幸せな5年間でした。思えば大学時代、研修先の病院を選ぶ時、親戚から教えてもらった病院に立ち寄り、ミュージカルのチラシを見て、そこで心に決めた病院でした。あの時の出会いがなければ、そこからつながる全ての人に出会っていなかったのだなぁと思うと、そのご縁への感謝と、自分の直感を信じてみることの大切さ、そして自分の直感への信頼感が少しずつ増していくのを感じています。

旅立ちの時


いよいよ、病院を離れる時が来ました。九州まで自分の車で帰郷することに決めたのですが、ただ帰るのでは面白くないので、母と一緒に旅をしながら帰ることに決めました。引越し業者には頼まず、後部座席とトランクに荷物を詰め込みました。帰りのコースは、まずは憧れていた平日のディズニーランドを思いっきり味わい、翌日伊勢に行き、初めてのお伊勢参りをして、ゲゲゲの鬼太郎ファンとして鳥取の境港に寄り水木しげるロードと蟹を堪能し、出雲大社を参拝して、九州へ帰りました。
途中で寄った伊勢で素晴らしい出会いがありました。

こま田さんとの出会い


腎臓内科の先輩が、とてもグルメで情報通だったので、伊勢で何か美味しいおすすめのお店がないか聞いてみました。先輩は、自分は実際に行ったことがないけれど、おしゃれでよく見るブロガーさんが紹介しているお寿司屋さんが美味しそうだったので行ってみたら?とオススメしてくれました。そのお寿司屋さんが「こま田」さんでした。私はドキドキしながら、電話をかけてみました。最後に「どちらからいらっしゃいますか?」と尋ねられ、「東京から行きます」と答えました。


伊勢に到着したのが午後だったので、参拝は翌朝にして、まず「こま田」さんへ行きました。「こま田」さんは伊勢の台所として栄えた河崎にあります。江戸時代からの街並みが残り、その雰囲気をしっかり感じながら趣のある玄関を入っていくと、そこは和モダンなおしゃれな空間に清潔感のあるカウンターがあり、とっても素敵な駒田さんご夫妻が私たちを出迎えてくれました。こま田さんも当時はopenしたばかりで、まだ大々的には宣伝していなかったということで、一体私たちがどういう経緯で「こま田」さんを知って予約したのか不思議だったようです。最初私たちはとっても緊張していたのですが、駒田さんご夫妻の素敵な配慮と温かい雰囲気と、とっても美味しいお寿司に次第に私たちの心もほぐれていき、いつの間にか私は駒田さんご夫妻に今の自分の状況を話していました。これからニューヨークに住む予定だということ、ニューヨークに行く前に伊勢に行ってみたかったこと、「こま田」さんを紹介していらしたブログを通して知ったことなど、あまり初対面の方にはお話しない内容を話しました。「こま田」さんのお寿司をいただいた翌日は体中の細胞がスッキリとイキイキするのを感じます。駒田さんご夫妻、そして「こま田」さんの店内にも、伊勢神宮のようなシンプルさの中にある奥深さを感じ、それは伊勢神宮同様、訪れるたびにシンプルの中にある凄みが増していきます。ちなみに、私は駒田さんご夫婦が選ぶ器もおしゃれでいつも嬉しくなります。
この日、素晴らしいご縁に感激し、ニューヨークから帰った際には、すぐに「こま田」さんに行こうと思いました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ようやく後期研修医3年間が終わりました。完全に私のプライベートのみという、初期・後期研修医時代の長いお話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。最後は駒田さんご夫妻との出会いで、今回のブログは終わりましたが、私にとって駒田さんご夫婦との出会いは本当に大切な出会いで、ついつい熱が入ってしまいました。次回は、いよいよニューヨークへ行きます。ご覧いただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。


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ABOUT ME
Dr.K
都内在住の30代女性。 内科医として、西洋医学・東洋医学を学び、現在都内で勤務医をしています。 自身が幼少期から気管支喘息、アレルギー体質であり、また大学時代の左前十字靭帯断裂後手術を受け、そして現在、変形性股関節症と向き合っています。 このブログでは、私自身が抱える健康問題に関して、西洋医学・東洋医学・代替療法・民間療法・スピリチュアル的なアプローチなど、興味が湧き、自分で納得したものを取り入れ、その結果をシェアしていきたいと思います。ゆくゆくはHolistic(ホリスティック)医学(=人間をまるごと全体的にみる医学)を提供できる医師を目指しています。